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2009年05月05日

タイの僧院にて 青木保



実に懐かしくも貴重な本です
メナムの残照(クーカム)が初めて読んだタイの小説で、この「タイの僧院にて」は初めてタイの文化に興味を持つことができた本でした
著者の青木保は文化人類学者で、チュラロンコン大学留学中の1972年8月から約半年間、バンコクの王立寺院ワット・ボヴォニベーで一時僧となって過ごした体験を書いたものです
内容はかなり硬いものですが、非常に興味深く面白く読むことができました
なにより著者のタイ仏教への深い愛情が随所に感じられ、それがとても気持のよいものでした
また僧院での僧たちの生活が生き生きと描かれ、禁欲や修行にはとんと縁のない私でもタイの寺院生活に惹かれるものがありました
この本によっておよそ馴染みのないタイの仏教用語もいくつか覚えました

ビンタ・バート=托鉢、毎朝、僧は托鉢用の鉢(バート)を持って托鉢に出かけます
街角には僧に食べ物を捧げる(サイ・バート)ためにひとびとが待っています
現在でもその優美な、驚くべき習慣は続いています

サイ・バート=鉢に入れる(?)、僧に供え物をすること

ニーモン=僧を招き、接待するときだけに使う言葉だそうです

タン・ブン=徳を積む、一般のひとびとにとって重大な関心事はタン・ブンしてサワン(地上天国)に行ったり、禍を避けることだそうです

そのために、サイ・バートしたり、僧を接待(ニーモン)したりします
最大のタン・ブンは僧になること、次が寺を寄進すること、女性にとっては息子を僧にすることだそうです

青木保が修業したワット・ボヴォニベーは、安宿街で有名なカオサン通りの近くにあります(注:カオサンの西側の寺はワット・チャナソンクラム、ワット・ボヴォニベーはカオサンからタナオ通りを左折して右側)
昔、カオサンに泊まった時にこの寺を見に行ったことがあります
一時僧たちが午後の禁食の時間に腹を空かせながら魚に餌をやった寺院内の運河の魚や亀も見ました
改めて、黄ばんだ「タイの僧院にて」を読み返して見ると、寺院の中の構造が詳しく書かれ地図もあります、大蛇が隠れていたという木はどの辺だったんでしょうか?
もう一度、ワット・ボヴォニベーを訪れて青木保が泊まったクティ(庫裏)やビンタバート(托鉢)の路も確かめてみたいものです

昔、シーロムの市場でサイバートしたのも「タイの僧院にて」の影響でした
ホテルのフロントで「サイバートしたい、タンブンしたい」と本で覚えた単語を言うと、「それなら市場へ行け」と言われたのでした





翌朝早く、シーロムの通り市場通りに行くと、お坊さんたちが托鉢をしていました
近くの総菜屋でまた「サイバートしたい」というと、お供え用の食事セットを作ってくれました
手真似でご飯・スープ・おかずのセットをビニール袋に入れ10セットでいくらということでした、高くはなかったと思います
タイ人は総菜屋を自宅用にだけでなくサイバートにもよく利用するんでしょうね
お盆は貸してくれました、食物の入った盆をもって総菜屋の前に立っていると、私の前にもお坊さんがきました
見よう見真似でワイをして、食物セットを鉢に入れます
その間はお盆は誰か持っていてくれたのか、それとも台にでも置かせてもらったのでしょうか? 楽しい思い出です

そういえば、当時、ニーモン(僧を招いて接待する)もやりたいと思ったんです
青木保がスック(還俗)してバンコクで住んだアパートのお手伝いさんが信心深い女性で、僧修行を終えたばかりの青木保をとても信頼してくれたそうです
彼女が故郷スパンブリの僧を呼んで彼の部屋でニーモンしたいというので許可したところ、アパートの多くのメイドたちが同郷でニーモンに集まったこと、おかげでアパートのタイ人みんなから信頼されるようになったこと
後にスパンブリの巨大な仏像がある寺に行くと、最初にニーモンに呼ばれた僧が意外にも大僧正であり、もらった金メダルを見て周りのタイ人が驚嘆したこと
今、読み返すと当時よりさらにいきいきと情景がわかる気がします

さて、サイバートにニーモンです
サイバートはカオサンにでも泊まった時にできるでしょう、問題は朝起きられるかだけ・・・(^^ゞ
ニーモンは少し難しいですが、自分でやるのでなくタイ人と知り合いになってニーモンに参加させてもらうのが手っ取り早いかな・・・
サイバートでなくビンタバート(托鉢)の方もぜひやってみたいんですが、僧修行は・・・うーん、難しいでしょう(^_^;)
タイ語もわからんのにパーリ語の経文なぞ絶対に覚えられません
1週間体験コース(体験托鉢付)とかあれば行くかも知れません

そうだ、日本にもこんなのがありますよ→永平寺の体験修行

「タイの僧院にて」では自分を落ちこぼれの文化人類学者のように書いている青木保ですが、今は文化庁長官です→文化庁長官あいさつ

いやあ、さすがにいいこと言っているような気がしますが(^^ゞ
この方が文化庁長官であるということは、日本・タイ両国にとってとても幸いなことではないでしょうか





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この記事へのコメント
私もこの本昔読みましたよ!2階の本棚にあるはず
探してみようっと。文化人類学って懐深い方が多いですよねぇ。ところで最近カトゥーイのお坊さん増えて。。というニュースが数日前にありましたねw
Posted by 芳芳 at 2009年05月07日 21:59
芳芳さん
文化人類学、楽しそうですよね、B級グルメを研究で博士号とかとれないでしょうか(^^ゞ
>最近カトゥーイのお坊さん増えて。。というニュース
・・・し、知りませんでしたが(^_^;)
仏教の世界だけカトゥーイに無縁という訳にはいかないですよね、やっぱ
Posted by kimcafekimcafe at 2009年05月07日 23:27
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